Interviewインタビュー

映画『ヒーローマニア -生活-』
東出昌大 × 豊島圭介監督インタビュー

”その和気あいあいとした楽しい現場の雰囲気がコメディ作品に活きていると思います”

福満しげゆきのコミック「生活【完全版】」(モーニングKCDX/講談社刊)を原作とした映画『ヒーローマニア -生活-』が5月7日(土)に公開された。個性的な“ヘタレ”たちが街を守るというかつてないヒーロー像が描かれる「ハイパー・アクションエンタテインメント」。ヘタレでダメダメな主人公・中津を演じた東出昌大さんと、本作を手掛けた豊島圭介監督に、見所や撮影の裏話について話を聞いた。

―東出さんは、本作が初めてのコメディ作品ということですがいかがでしたか?

東出 ドラマも映画もそうなんですけど、重いテーマの作品の時は現場が重い空気になります。大人が真剣に仕事をしているので当たり前なんですけど、でも今回の現場では全くそれがなくて。撮っているカメラマンも、モニターを見ている監督もニヤニヤしているし、演じている側も監督にニヤニヤしてもらおうと演じていて。なんかずっと幸せな1ヵ月でしたね。窪田(正孝)くんや小松菜奈ちゃんとか出演者みんなで代わり番こにコンビニにアイスを買いに行って差し入れして、それを食べながら呑気に休憩したり、だるまさんが転んだもやったりして(笑)。コメディ作品は初めてだったので、なかなか珍しい現場でした。馴れ合いでふざけているわけじゃなくて、その和気あいあいとした楽しい現場の雰囲気、幸せな中で作っているということがコメディ作品に活きていると思います。

豊島 東出さんは、主演ということもあり、組の座長感がありましたね。本人はそういう意識はないとおっしゃっていたんですけど、みんながついてくるように率先して現場にいるし、常に現場全体を見てくださっていました。決してヘタレではなく(笑)、立派でしたね。東出くんとは以前ドラマでご一緒したことがあって、その時は凛々しい役だったんですけど、普段はどっか天然というかとぼけた味わいがあって。質問しといて、こっちが一生懸命答えているともう興味なくなっていたりとか。さっきもアラームが鳴って「誰、誰!?」って東出くんが言ってたんですけど、結局「あ、俺だった」みたいな(笑)。いつかそういうところを映画で活用したいなって思っていて、今回中津役をオファーさせていただきました。東出くんだけじゃなく、窪田くん、小松さん、(片岡)鶴太郎さん、船越(英一郎)さん、みなさんいつもとは少し違った役柄で挑戦してもらいました。それも本作の見所ですね。鶴太郎さんはカナヅチを両手に持って相手を倒していくんですけど、それがすごくかっこいいんです。撮影前に3〜4時間くらいヨガをやってウォーミングアップをしていたとおっしゃっていました。

―片岡さんのアクションシーンのお話が出ましたが、東出さんはガムテープを武器に戦っているんですよね?

東出 アクションが上手くないという役柄だったので、体当たりでいろんなところに体をぶつけながら演じました。

豊島 以前からこんなに背が高い人はいろんなところに頭をぶつけるんだろうなぁって思っていて、今度作品に出演してもらう時は絶対頭をぶつけてもらおうって決めていたんです(笑)。なのでこの作品では冒頭のアクションシーンからすでに2回、小松さんの家にあがるシーンで1回、などと何度もぶつけてもらいました。でも、毎回120パーセントでぶつかりにいくので東出くんはもちろん心配なんですけど、美術の方も心配で。「壊れるからやめてくれ」っていうことが何度かありましたね(笑)。そこにもぜひ注目してほしいです。

東出 あと、観ていただいたら分かるんですけど、中津は走り方が少し変で。1番最初の打ち合わせの時に監督から「情けない走り方を研究しといて」って言われたから考えていったんですけど、いざ撮影する時に監督がそれを言ったことを忘れてたみたいで、「え?」ってびっくりされました。

豊島 中津が走ってくるシーンを撮る時に、急に変な走り方するからはじめは意味が分からなくて。「え、なにやってるんだろう?」って(笑)。「どうしたの?」って聞きに行ったら「打ち合わせで言ってたじゃないですか」って言われて。でも、すごい、すごい良かったです!(笑)

―豊島監督は、元々原作のファンだったというですが、映画化するお話が出てからの5年という歳月はどのようなものでしたか?

豊島 台本作っている時は、「本当にこの映画が出来るんだろうか」っていう不安でいっぱいで。原作が大好きだったので、漫画の要素を全部入れようとしてなかなか映画のサイズにならなかったり、脚本が形になるまでには思いのほか時間がかかりました。東出くんをはじめ、すごいキャストの方々が揃って、去年の6〜7月に撮影したんですけど、その直前までいろんな問題があって。それがやっと全国の映画館で公開されることになって、涙が出るくらい嬉しくて、本当に感動しています!

―“ヒーローマニア”にちなんで、東出さん、豊島監督にとっての永遠のヒーローを教えてください。

豊島 僕は子どもの頃にブラックジャックを読んで手塚治虫先生に出会って、ずっとファンで。漫画全集も持ってますし、戦後に出たガリ版刷り(謄写版)のマンガを復刻した「手塚治虫初期漫画館」というシリーズを、7万5000円くらいしたんですけど、小学生の時にお小遣いを貯めて買いました。その中の「ジャングル大帝」にサインしてもらって、今でも家宝として大事に保管しています。僕にとってのヒーローは手塚治虫先生ですね。

東出 僕はいないです(笑)。小さい頃から何かのファンになるっていうことが全くなくて。強いていえば競馬が好きで、サイレンススズカという馬のレースは全部観ていました。

―では、「○○マニア」に例えると?

豊島 僕はでっくん(東出)マニアですね。

東出 やめてくださいよ(笑)。

豊島 先日のあべのキューズモール(大阪市阿倍野区)での公開記念イベントの時も、でっくんの肩に頭を預ける写真がいっぱい拡散されてましたからね、分かっていただけると思います(笑)。でっくんが動くと人が「わぁ!」となってアイドルイベントみたいでしたね。初めての経験だったのでおもしろかったです。

東出 僕は人と一緒にいるのが好きなので「人マニア」です。これ実は、東京で行った完成披露試写会の時に、1人ずつ○○マニアというのをフリップに書いて発表するコーナーがあって、そこで人マニアって書いたんですけど、船越さんとかぶってしまって急遽「落語マニア」に変えたんですよ。

―最後に一言お願いします。

東出 大人たちが悪ふざけというか、おもしろいものを全力で作った映画です。僕は悪ふざけという言葉は最大と賛辞だと思っています。その変態性も含め、単純にコメディとして楽しんでいただけると思います。関西の人たちの前でお笑い、コメディを語るのは怖いんですけど、ゲラゲラ笑って、最後にスカッと劇場を後にできる映画になっていますので、気軽に楽しんでもらえたら嬉しいです。 大人たちが悪ふざけというか、おもしろいものを全力で作った映画です。僕は悪ふざけという言葉は最大と賛辞だと思っています。その変態性も含め、単純にコメディとして楽しんでいただけると思います。関西の人たちの前でお笑い、コメディを語るのは怖いんですけど、ゲラゲラ笑って、最後にスカッと劇場を後にできる映画になっていますので、気軽に楽しんでもらえたら嬉しいです。

Profile

<豊島 圭介>
1971年生まれ、浜松市出身。代表作に『ソフトボーイ』『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『花宵道中』『海のふた』などがある。『森山中教習所』の公開も控えている。

<東出 昌大>
1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。モデルとして活躍した後、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。連続テレビ小説『ごちそうさん』でヒロインの夫役を演じ、全国的な人気を博す。

Storyストーリー

©福満しげゆき・講談社/映画「ヒーローマニア 生活」製作委員会

ヒーローマニア -生活-

【監督】豊島圭介
【脚本】継田淳
【原作】福満しげゆき「生活【完全版】」(モーニングKCDX/講談社刊)
【キャスト】東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、村上和成、黒田大輔、松岡恵望子、山崎静代(南海キャンディーズ)、船越英一郎、片岡鶴太郎 ほか

ハイパー・アクションエンタテインメント「ヘタレども!いまこそ立ち上がるんだ!!」

コンビニでバイトをしながら生活する中津(東出昌大)は、ある時出会った謎の身体能力を誇るニート・土志田(窪田正孝)、情報収集力抜群の女子高生・カオリ(小松菜奈)、昼は定年間近のサラリーマンで夜は“若者殴り魔”の日下(片岡鶴太郎)と町を守る自警団を結成する。4人は夜な夜な街の掃除に出かけ、いつしか街のヒーローになっていった。それはやがて、市民の賛同を得るようになり、自警団は巨大な組織に成長していくが—。

ヒーローマニア -生活-の公開情報

公開日 公開中
監督 豊島圭介
脚本 継田淳
原作 福満しげゆき「生活【完全版】」(モーニングKCDX/講談社刊)
キャスト 東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、村上和成、黒田大輔、松岡恵望子、山崎静代(南海キャンディーズ)、船越英一郎、片岡鶴太郎 ほか
公式サイト http://heromania.jp/