Interviewインタビュー

『小杉ライブ~100回を越え、NGKの地下の劇場に戻ってきました~』
ブラックマヨネーズ 小杉竜一 インタビュー

「小杉ライブ、100回すごいな」とか、なんかちょっとくらい言えよって思いましたね

今やテレビで見ない日はないほどの人気お笑い芸人・ブラックマヨネーズの小杉竜一さん。2007年9月からソロライブ『小杉ライブ』を毎月1回開催しており、会場を転々としながらも昨年12月に記念すべき100回目を迎えた。コンビだけでなくピンでも活躍中の小杉さんにインタビュー。

―「小杉ライブ」、100回目を突破されたとのことで、振り返ってみていかがですか?

始めたきっかけを言うと、吉田が中耳炎と外耳炎に一気になるという変なことになって、休んでいた時があって。番組を1人でこなさないとってなった時に、番組がスタートしてちょっと喋ってゲストを呼ぶってだけやのに、そのオープニングの数分を緊張してテンパってしまって、唇カサカサで。今までいろいろな仕事をやってきてどうにかできると思っていたんですけど、実際全くできなくて。自分の不甲斐なさをその時に思い知らされて、個人としての根性というか、実力を確立するために「小杉ライブ」を始めました。そんな感じで始まって、100回いけたっていうのはやっぱり嬉しいですね。それも月一でやってたいたので、結構今より忙しい時期もありましたし、そのペースを崩さずできたのは「よく頑張ったな」って思いますね。

―ライブではどんなことを?

前半は、僕がデジカメで撮ってきた写真を見せながら話すコーナーがあったり1人で喋っていて、その後の1時間半くらいは毎回違うことしています。あと、毎回オープニングVTRを撮っていて、ジャニーズとかアイドルのコピーをしてる感じの。特注の衣装を作ってもらったりプロのメイクさんにお願いしたり、結構時間かけて作り込んでいるので、意味分からんVTRなんですけど(笑)、そこにも注目してほしいですね。

―最近のライブで印象に残っていることは?

撮った写真を見せるコーナーで、デジカメが動かへんっていうハプニングがありましたね。ハプニングがなかったかのようには乗り切れなかったですし、「デジカメ使えなくなりました」って言いながら困り果てる姿は見られましたけど、でも1回目みたいにテンパって唇カサカサになるようなことはなかったです(笑)。

―どういう話で乗り切ったんですか?

「こういう時に上手く切り抜けるのが芸人の腕の見せどころや」みたいなことを言って、すぐお客さんに「なんか質問ないですか?」って振るっていう、営業みたいなことをやりました(笑)。でも1回目の時はそういうベタなボケすらでなかったと思うんで、100回かかってゆっくりですけど一歩ずつ進めたかなって気はしましたね。

―その時、お客さんからはどんな質問が?

全くでなかったです(笑)。常連さんもたくさんいらっしゃるんですけど、古いデジカメでやっているので、よく止まるのを見ているんですよね。だからお客さんは「何回止まんねん。ほんで毎回全然上手く切り抜けてへんやん」みたいな感じで、決して協力的ではなかったです。何回か「質問ないですか?」って聞いたんですけど、結局1人も手を挙げてくれなかったですね(笑)。

―常連さんの顔を覚えていらっしゃるんですね。

7年くらいやっているので、よく来てくださる方はだいたい分かります。ただその人数が激変していて…ずっと日曜日にやっていたんですけど、劇場が変わったりして平日にやることも増えて。社会人のお客さんが多いので、どうしても減ってしまいましたね。アンケートで露骨に書いてきますからね。「次のライブ、○日か○日にしてください」とか「何時以降でお願いします」とか。「バイトのシフトやないねんから、そんなもん通るか!」って思いながら見ていました(笑)。ほんでたまたまスケジュール組んだ日がその日だったらしくて、翌月のアンケートに「要望を聞いてくれてありがとうございました」って書かれていて、「なんで通ったと思うねん!たまたま合っただけやと思わへんのか」って感じで(笑)。まだ来たことがない新規のお客さんにはぜひ、新鮮な気持ちで来ていただきたいですね。

―新規のお客さん、大歓迎なんですね!

お客さんの年齢層も上がってきて、若いお客さんを呼ぶにはどうしたらいいかっていうのをコーナーでやったりもしているんですよ。「小杉ライブ」の後は毎回「たこしげ」っていう店で打ち上げをするんですけど、そこに観に来てくれたお客さんも来たりして。僕より早くに来たお客さんが「新しいお客さんをチヤホヤするん分かるけど、昔からのお客さんに愛情がなさすぎる」って怒ってたって店のマスターに聞いたり、リアルな苦情が耳に入ってくることもあります。僕がふざけてファンのことを、好きなB'zの歌からとって、“小杉エンジェル”って呼んでいるんですけど、ある作家が「新規のお客さんと昔からのお客さんとで楽しめる企画をやりましょう」って、その企画書に昔からのお客さんのことを“オツボネエンジェル”って書いていて(笑)。ライブ中に「作家が常連の皆さんのことを“オツボネエンジェル”って言うてたんですよ、こいつ最悪ですよね」ってお客さんにチクってやったんですよ。ほんならそれに対しては全く怒らず、アンケートに「私は1回やめましたけど、また来るようになった“出戻りエンジェル”です」みたいなことが書かれていて(笑)。もう怒るところと、ノってくるところがわけ分からん感じです。

―「小杉ライブ」の一環として、小杉さんがB'zになりきるイベントも行われているとか?

その回のチケットは毎回なぜか即完売なんですよ。本物のB'zファンの方々がTシャツを着て、グッズを持ってきてくれたりして。でも、普段は来ないんですよ?僕、歌上手いわけでもないし、似てないのに…なんでなんですかね?(笑)この回だけ来るお客さんは「めっちゃ良かったです」って絶賛してくれるんですけど、普段も来ていてB'zの回も来た人は「もう二度とやるな」みたいな感じで賛否両論すごいですね(笑)。

―5月の「小杉ライブ」の内容は?

前半はいつもの流れでやろうと思っているんですけど、後半はちょっと変えたいなって思っていて。まだはっきりとは決めてないですが、「下手したらむちゃくちゃすべるんちゃうか」みたいな感じの企画をやってみたいと思っています。まぁ、不評なんですけどね、その企画(笑)。100回記念の時はね〜満員だったんですよ。吉田とも漫才をして。でもそこから右肩下がりなんですよね…なので何か変えていかないと200回に向けて厳しいなってところがありまして(笑)。

―100回記念ライブでは吉田さんがサプライズ登場して、新作のネタを披露されたとか?

新作を1本作ってどこで披露するかってなった時に「小杉ライブをやってるんやったらそこでやろう」って吉田が言ってくれて。ただ、あいつはその回が100回記念ってことに全く気づいていなくて。はじめは「100回記念やから言うてくれてるんかなぁ」って思っていたんですけど、舞台袖でステージに100回記念って書いてあるのを見て「あ、100回なんや」って言うてて。あいつは、「小杉ライブ」に対して一切なんの興味も持ってないんですよ。「100回すごいな」とか、なんかちょっとくらい言えよって思いましたね。しかも、スタッフの方に「ライブの最後にもう1回出て行ったらお客さん喜びますよ」って言われてたんですけど、吉田は「ほな帰るわ」ってすぐ帰ってしまって。でも、お客さんからのアンケートでは「100回記念に吉田さんと漫才を披露するなんて粋ですね」とか「漫才だけしてすぐ帰るのもなんかかっこいい」みたいに書かれていて、次のライブの時に「あいつ、たまたま来たら100回やっただけで、邪魔くさいからすぐ帰っただけですよ」って言ってやりました。無駄な好感度は全部落としてやろうって思っているんで、僕は。まぁ、お客さんは「そんなん、いちいち言わんでええのに」って空気でしたけどね(笑)。あ、僕のこういう言動がお客さん減らしてるんか!あぁ、そういうことか…(笑)。

―では、最後に一言お願いします!

昔は芸人が集まってトークしたりゲームしたりするライブも多かったんですけど、今はあんまりなくて。そういうライブを観たことがない方々には新鮮に映ると思いますし、昔からそういうライブに行ってた人には「こんなの昔よくやってたなぁ」って懐かしんでもらえると思います。テレビとは違う楽しみ方ができると思うので、ぜひ来てください!

Profile

小杉竜一 Ryuichi Kosugi
1973年7月5日生まれ、京都府出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属、1998年に吉田敬と「ブラックマヨネーズ」を結成。2005年には「M-1グランプリ」で優勝。