Interviewインタビュー

映画『僕だけがいない街』
有村架純 × 平川雄一朗監督 インタビュー

「守りたい」という気持ちがいっぱい詰まった作品
“僕街”の世界観に浸っていただけたら

映像化争奪戦となった三部けい原作『僕だけがいない街』は“リバイバル”という時間が戻る不思議な現象に巻き込まれた主人公が現代と過去の2つの世界を行き来しながら18年前に起きた連続誘拐殺人事件の謎と真犯人に迫るミステリー。藤原竜也さん演じる主人公・悟を真っすぐに信じて寄り添うバイト仲間の片桐愛梨を演じた有村架純さん、そして平川雄一朗監督に本作の見所などについて話を聞いた。

―原作は、宝島社が発表する「このマンガがすごい!」に3年連続、「マンガ大賞」に2年連続ランクインするなど注目度の高い作品ですが、初めて読まれた時の感想を教えてください。

平川 以前から知っていた作品だったんですけど、初めて読んだ時は“リバイバル”という仕組みが謎で引き込まれましたね。あとは、犯人は誰なんだろうというミステリーの部分ではもちろんなのですが、原作に印象的な言葉や、僕たちが生活していて忘れてしまいがちな大事な言葉が散りばめられているんですよね。そこもすごく魅力的だなと思いました。

有村 私は元々読んだことがなくて、出演が決まってから読ませていただきました。読み始めたらすごく面白くて、読む手が止まらなくなりました。内容的には切ないというか、なんか“守りたい”という気持ちがいっぱい詰まった作品だなって思いました。

―有村さんが演じられた「片桐愛梨」という役柄についてはどう捉えられましたか?

有村 人の心にスッと入り込むことができる子、パーソナルスペースが狭いですね。そういうのって苦手な人もいるじゃないですか?あんまり近くに来られると「うっ」てなっちゃたり、「なんか距離近いなぁ」って感じたり。でも、愛梨はそう感じないというか。それは愛梨の持っている才能だと思いますし、それをどう鬱陶しく見えないように演じるかが大事だなと思いました。あとは、悟さんにとって大切な存在にいなきゃいけないなって。

平川 愛梨のようなパーソナルスペースの狭い女の子って、(有村)架純ちゃんだから許されるんだよねって(藤原)竜也くんとも話してて。普通だと多分うざいですよね?(一同笑)有村さんの力ですよね。

有村 いやいやいや。本当に監督に肉付けして頂いたおかげです。

平川 いろいろ便利になっていく現代と一緒で、リバイバルという現象では得るものもあるけど失うものもあるんですよね。この作品で、その現代の象徴となっているのが愛梨なんだと思います。

―役づくりはどのようにされたんですか?

有村 漫画や台本をベースに、撮影しながらその都度「どうしようか」って相談して、監督と一緒に「愛梨」というキャラクターを作っていきました。原作の愛梨を100%表現できるかというと、きっと演技の中には私が過ごしてきた22年間も映ってしまうと思いますし、それは無理だなって思っていて。映画の中の愛梨として生きることを考えました。

―そんな愛梨と主人公・悟の関係性には、こだわって演出されたとお聞きしました。

平川 恋仲まではいかないけれど、お互いが必要とする存在をどう演出するかというのは、脚本作っている時から考えていましたね。似た者同士なんだけど、自分が持っていないものを相手が持っているから惹かれ合う、みたいな関係性を描きたいと思っていました。

―また、本作ではリバイバルで過去に戻ったシーンも重要になりますよね。

平川 そうですね。悟の子ども役には、藤原竜也に似ていることが重要で。オーディションをして、役者としてほぼ未経験の中川翼くんをキャスティングしたんですけど、この舞台に立つために努力をしてたのが見えましたし、本当によく頑張ってくれました。ありえない設定の役ですからね、「藤原竜也が自分の中にいると思え」なんて(笑)。オーディションで選ばれた時は一番下手っぴだったんですけど、リハーサルして、クランクインする時には皆を引っ張っていて。リーダーとしてトップにいるんですよね。当初は全然声も出ていなかったんですけど、誰よりも大きな声を出せるようになっていて。たった1ヶ月なのに子どもの成長って本当にすごいなって改めて感じましたね。

有村 画面を通してでもすごく引き込まれましたし、心も動かされました。子役というより、もう1人の役者さんとして見てしまっていました。

―有村さんは、藤原さんと今回が初共演だったとのことですが、共演してみていかがでしたか?

有村 もっと寡黙で近寄りがたい人かなと思っていたんですけど、全然そんなことなくて。スマートで紳士的な方でした。現場の雰囲気としては、すごくのんびりしていて、撮影の合間はほわ〜んとゆるい感じで話していました。あと、藤原さんはオン・オフの切り替えがすごくて。普段はふら〜ってしているんですけど(笑)、 「本番!」って声がかかった瞬間にオンになるんですよね。

平川 普段は本当に自然体で。落差がすごいよね(笑)。

有村 目がとても素敵な方ですよね。目がすごいキラキラしていて、なんかピュアなものを持っている方だなぁって思いました。

平川 撮影では、見ているだけで2人の呼吸が伝わってくるというか、「合っていたな」って感じましたね。

―本作は、原作が連載中ということもあり、エンディングの描き方も苦労されたのでは?

平川 原作者の三部先生ともいろいろ話をさせてもらいました。脚本段階で出来ていたものから現場でやっていくうちに変わって、編集でも変わって、現状のエンディングになっています。撮影を中断して、雨が止むのを待っていた時間があって、その時にエキストラカット(予備映像)を撮ったんですよ。台本にないシーンだったんですけど、編集の段階で使ってみて、それが上手い具合にラストシーンにハマって。あれは美しいね!(笑)自画自賛じゃないですけど、時間を無駄にしないで撮影して良かったなって思いますね。

―では最後に、これからご覧になる方々にメッセージをお願いします。

有村 人を「信じる」ということがどれだけ自分の背中を押してくれるのかということを感じていただけると思います。信じるってすごく大変なことだけど、その思いがあるから人のために頑張れるし、悟さんも命を懸けながらも「大切な人を守りたい、助けられる」と信じていたからこそ、あのような行動が出来たんだと思います。あと、どんどん先が気になるミステリーになっているので、一緒に犯人探しをしながら“僕街”の世界観に浸っていただけたらと思います。

平川 人によって感じ方は違うと思いますが、謎解きをしながらその中での人との触れ合い、人間の弱さや優しさにも触れていただけたら嬉しいです。ぜひ劇場で、ドキドキハラハラしながら“リバイバル体験”をしてください!

Storyストーリー

©2016 映画「僕だけがいない街」製作委員会

僕だけがいない街

【原作】「僕だけがいない街」三部けい(KADOKAWA/角川コミックス・エース)
【監督】平川雄一朗/脚本:後藤法子
【キャスト】藤原竜也、有村架純、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子 ほか

愛する人を守るため、僕は18年前に巻き戻(リバイバル)された。

漫画家としてはなかなか売れず、ピザ屋でアルバイトをしながら生計を立てている藤沼悟(藤原竜也)。彼はある時から、周囲で起こる事件を止めなければ何度も時間が巻き戻り続ける“リバイバル”という現状に巻き込まれていた。ある日、悟の母・佐知子(石田ゆり子)が何者かに殺害され、またしてもリバイバルが起こるが巻き戻った先は18年前だった—。

僕だけがいない街の公開情報

公開日 2016年3月19日(土)
原作 僕だけがいない街」三部けい(KADOKAWA/角川コミックス・エース)
監督 平川雄一朗
脚本 後藤法子
キャスト 藤原竜也、有村架純、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子 ほか
公式サイト www.bokumachi-movie.com