Interviewインタビュー

映画『ロマンス』
大島 優子さん × 大倉 孝二さん インタビュー

“鉢子とおっさんの掛け合いをクスッと笑いながら観てほしい。”

タナダユキ監督のオリジナル脚本作品『ロマンス』が、9月5日(土)に公開される。箱根の景勝地を舞台に、小田急電鉄・特急ロマンスカーのアテンダントとして働く主人公・鉢子(大島優子)と“おっさん”(大倉孝二)の小さな旅が描かれている。撮影の合間もずっと楽しく話していたというほど仲の良いお2人に、本作の見所や撮影現場での様子について話を聞いた。

―役柄との共通点や共感したところはありましたか?

大島 私は鉢子と同じ26歳ということもあって、役には入りやすかったです。仕事はきっちりこなしているけど、そんな中でも「このままでいいのかな?」とか、他人からは気付かれないところで悩んでいたり。自分自身を見直すんだけど、新しい一歩を踏み出す勇気を持てないでいる鉢子に共感しました。あとは、両親のことを「1人の人間」として考えられるようになる年代だと思うので、そういった面でも共感できました。

―ロマンスカーのアテンダントの仕事をしてみていかがでしたか?

大島 撮影に入る前に、ロマンスカーに乗って本物のアテンダントの方を視察して仕草や発声方法を勉強したり、実際にカートを押す練習をしました。練習の時はスムーズにできていたことも、実際に動く車内で実践してみると、上手くいかず難しかったです。ずっと立ちっぱなしですし、重いカートを押さないといけないから、女性の仕事にしては体力的にすごく大変なお仕事だと思いました。

―お互いの印象を教えてください。

大島 第一印象はシャイな方だなって思いました。あと、大倉さんがご自分の車で現場にいらしていたんですけど、とてもコンパクトな車に乗られていて、小さい車から大きい人が出て来るのがおもしろかったのを覚えています(笑)。
大倉 大島さんの第一印象は「いじめっ子だな、こいつ」でした。僕のこと、「好物が現れた」と思っていたんじゃないでしょうか。

―いじめられていたんですね(笑)。

大倉 常にいじめられていましたね。でも、出るとこ出りゃ僕のほうが勝ちますよ!
大島 ツッコミどころ満載だったので、それを素直に伝えさせていただいただけですよ!
大倉 …すいません。(一同笑)

―仲の良さがすごく伝わってきますが、お2人はお会いしてすぐ打ち解けたんですか?

大島 お会いした時は「どういう人かな」ってお互いにうかがっている感じだったんですけど、2日目にはこんな感じでしたね。
大倉 大島さんが今度舞台をやるって話をしていて、僕も自分が出た舞台の話をしていたら「それ観に行きました」って言ってくださったんですけど、「その舞台に大倉さんに出てました?」って言われて。「出てた」って言っているのに「え〜出てない、出てない!」とか言われて。 まぁまぁ出ていたんですけどね、僕(笑)。
大島 私も失礼な発言をしてしまったと思いながら、そんなことをすんなり言えてしまったのは大倉さんの人柄の良さなんだと思います(笑)。

―大島さんは自他ともに認める「雨女」で、撮影中は雨が多かったとお聞きしました。

大島 ほとんど雨でしたね。でも、撮影現場の雰囲気は良かったですよ!
大倉 終始、にこやかでしたね。でも、朝に大湧谷へ行ったときは、霧で視界ゼロでした。大島優子、すげぇなって(笑)。

―撮影の合間は、どうお過ごしだったんですか?

大島 大倉さんと空き時間が一緒の時は、ずっと話していましたね。
大倉 そうですね。あと、僕落ち着きないからうろうろしちゃうんですよね。だから、ススキがいっぱい生えている所でうんち踏んじゃって。劇用の靴だったので自分で洗いに行きました(笑)。
大島 ロケバスの中が臭くて「誰か踏んでるんじゃない?」って笑いながら言っていたんです。大倉さんも「くせぇ」と言っていたんですけど、大倉さんが犯人でした(笑)。

―楽しい雰囲気の中で撮影されたということで、アドリブなどもあったのでは?

大島 私はなかったんですけど、大倉さんがちょこちょこアドリブの動きを入れてくるんですよね。
大倉 アドリブの動きなんてしたかな?
大島 していましたよ!動きが変なので、シラけた顔をしないといけないのに思わず笑ってしまったり。ずるいですよね(笑)。

―撮影前や撮影中にタナダ監督とのやりとりはありましたか?

大島 役柄に関して「こうしてほしい」という指示は、そんなにありませんでした。本読みも全部やると思っていたんですが、3シーンぐらいで「はい、もう大丈夫です。あとは現場で」っていう感じでした。
大倉 ある取材で監督が「あのシーンはこういう意味です」と答えていらっしゃるのを拝見して、「え、僕何も聞いてない!」って(笑)。でも、その後に「役者さんにそれはどういう意味だとか、そこはどういう感情だとかを説明するのは野暮だ」とおっしゃっていて、そういうポリシーを持ってやっていらっしゃったんだなってその時に知りました。確かに説明通りに演じるよりも、全部任せていただけた方が僕はやりやすかったです。
大島 ゆった〜りそのままの自然体で演じられたので、私も良かったなと思いました。2週間という短い撮影期間で、監督は慌ただしかったと思うんですけど、私たちはのびのびとやらせていただきました。

―大島さんが微笑むラストシーン、どんな思いで撮影されたんですか?

大島 鉢子が、旅を通して母への複雑な思いを浄化して、晴れやかになった気持ち。もう昨日の私じゃない、今までの自分を吹っ切ろうとした、そんな気持ちです。

―この作品はどんな方に観てほしいですか?

大島 懐かしさもあって、居心地の良さもあって…。最後も爽やかなので、どんな方でも楽しんでいただけると思います。
大倉 愛おしい作品なので、事あるごとにもう1回観たくなるような映画だと思いますね。
大島 そうですね。疲れた時などに観るとリラックスできると思います。あえて言うなら、疲れた人におすすめです!(笑)

―最後に一言お願いします。

大島 いろんな箱根の景勝地が出てきますし、そこでいろんな感情が揺れ動いていて、人として少しずつ成長していく鉢子の様をご覧いただけると思います。あとは、1日のドタバタ劇を描いているので、鉢子とおっさんの掛け合いがおもしろくて、クスッと笑いながら楽しんでもらえたら嬉しいですね。気負うことなく、くつろぎながら観ていただきたいです。
大倉 僕にとって、とても大事な作品になったので、ぜひたくさんの方に劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

Profile

<大島優子>
1988年10月17日生まれ、栃木県出身。06年よりAKB48に所属、国民的人気を誇るも14年6月に卒業。その後、女優としての活動を本格的に開始し、吉田大八監督作品『紙の月』(14)では第39回報知映画賞、第36回ヨコハマ映画祭、第24回東京スポーツ映画大賞で助演女優賞、第38回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞を受賞。16年には鈴木おさむ演出の舞台「美幸」への出演が決定しており、今後も活躍が期待される。

<大倉孝二>
1974年7月18日生まれ。東京都出身。95年に劇団ナイロン100℃のオーディションに合格し、舞台を中心に活躍。01年に『弟切草』でスクリーンデビューを果たし、多数の作品に出演。ナイロン100℃の舞台公演のほか、映画やドラマで個性派俳優として幅広く活躍している。

Storyストーリー

©2015 東映ビデオ

ロマンス

【監督・脚本】タナダユキ
【出演】大島優子、大倉孝二、野嵜好美、窪田正孝、西牟田恵 ほか

サヨナラだけが人生だ。サヨナラだけがロマンスだ。

新宿⇔箱根間を往復する特急ロマンスカーのアテンダントとして働く北條鉢子(大島優子)、26歳。仕事の成績は常にトップでその日もつつがなく業務をこなしていたが、ひょんなことから映画プロデューサーを名乗る怪しい中年男・桜庭(大倉孝二)に、母親からの手紙を読まれてしまう。桜庭に背中を押され、一緒にもう何年も会っていない母親を探す“小さな旅”に出ることになる—。

ロマンスの公開情報

公開日 2015年9月5日(土)
※大阪、その他地域は8月29日(土)より順次公開
監督・脚本 タナダユキ
出演 シネ・リーブル神戸 ほか
公式サイト http://movie-romance.com/