Interviewインタビュー

カバーアルバム『つるのうた3』
つるの剛士さん インタビュー

“歌の技術だけに捕われず、「届けたい」という気持ちを大切にしたい”

つるの剛士さんの約3年ぶりとなるカバーアルバム『つるのうた3』が、5月27日にリリースされた。40歳を迎え、より大人の色気が漂う歌声で今だからこそ歌える楽曲を披露した『つるのうた3』について、そして音楽活動について話を聞いた。

―5月に行われた、西宮ガーデンズでのイベントは、いかがでしたか?

カバーアルバムをリリースする度に、西宮ガーデンズには来させていただいてるんですけど、関西の方は本当に温かいですね。僕も関西育ちなので、やりやすいし、楽しくやらせてもらってます。なんか故郷に帰ってきた感覚もありますね。

―イベントに来てる方もそうですが、ファンの方の年齢層はすごく幅広いですよね。

そうですね、10代から70代ぐらいまでですかね。前のイベントの時に来てくれてた妊婦さんが出産していたり、中学生だった子が高校生になっていたりして、来る度にみんな成長してるから「一緒に歳とってるんだなぁ」と実感させられますね。

―つるのさんを前に、感動のあまり泣き出してしまった女の子もいたとか。

こんなおっさんを目の前に何をそんなにって思うんですけど(笑)、喜んでいただけるのは、嬉しいですね。そうやってファンの方たちと触れ合って、直で応援の言葉をもらえて、「頑張っていかないといけないな」って毎回思わされます。

―つるのさんのカバーアルバム、シリーズとしてすっかり定着していますよね。

おかげさまでたくさんの方の前で歌う機会が増えて、気づいたら月の半分ぐらい音楽活動になっています。小さい時から「ウルトラマンになりたい」とか「芸能人になりたい」とか夢があって、それを叶えてきたつもりなんですけど、“歌”っていうのは自分の頭の中に全くなかったので。今でも不思議な感覚ですね。でも、がむしゃらで何が何だかよく分かっていなかった最初の時と比べると、今は大分客観的に見れて、お客さんと一緒にライブを楽しめるようになってきたかなと思います。7年前に歌番組で歌ったことをきっかけにカバーアルバムを出すことになって、僕はボイトレ(ボイストレーニング)も行ってないし、誰かに教わったこともなかったので、聞いてくれるお客さんの感想で成長させてもらってると思ってて。もちろん、歌手として成長することも大事なんですけど、技術だけに捕われることなく「届けたい」という気持ちを一番大切にして歌うようにしています。僕のファンは、ありがたいことに老若男女なので、本当にアットホームな雰囲気でやらせてもらってますね。

―今回のカバーアルバムは約3年ぶりなんですよね。

ベストアルバムも間に出していたので、3年ぶりって感じはしないですね。今回は、バラエティ番組などで歌わせていただいた曲を中心に選びました。『雪の華』に関しては、ファンの方からたくさんのリクエストをいただいてて、レンジが広くてファルセットも入る曲なので、歌いこなすのは難しいなと思っていたんですけど、満を持してという感じで入れました。自分自身で聴いても「成長したなぁ」って思える1枚になりましたね。

―他に難しかった曲はありましたか?

世良(公則)さんと歌った『銃爪(ひきがね)』ですね。以前も2人で歌わせていただいたことがあって、今回のアルバムでも一緒に歌いたいとお願いしたら、快く引き受けてくださって。2人でレコーディング室に入って歌ったんですけど、もう凄かったですね!世良さんは還暦なのに、パワーが尋常じゃなかったです。歌ったのは3、4回だったんですけど、レコーディングの後、喉も潰れて、体調もおかしくなっちゃって。レコーディングの最終日だったので、出し尽くそうと思ってはいたんですけど、ちょっとびっくりしましたね(笑)。出来上がったものを聴いてみて、声のパワーがそんなに大差がなくて安心しました。明らかに声量が劣っていたらまずいなと思っていたので、それは良かったです。その一日は、すごく勉強になったし、いい刺激になりましたね。またいつか世良さんと歌いたいです。ライブに来てくれたら最高ですよね。

―今回のカバーアルバムで、特に思入れの強い曲はありますか?

う〜ん…全部なんですけど、言うとすれば『千の風になって』ですかね。僕、今まで音楽番組とかで人の歌聴いて泣いたことがなかったんですよ。でも、この曲がテレビで流れてきた時に、何故かすっごく泣けてきて。いつかは歌ってみたいと思っていた曲です。今回はライトに歌いたいというアイデアがあったのでアレンジは加えたんですけど、歌っていて父親が亡くなった時のことを思い出したり、懐かしい気持ちになりますね。あと、最後に入っている『MY WAY』は、中学生の時に吹奏楽部でよく演奏していて、ずっと好きな曲だったんですけど、歌詞の世界観が大人じゃないと歌えないと思っていて。40歳になるこの機会にチャレンジしてみようと、今回選びました。

―発売日の前日に40歳の誕生日を迎えられたんですよね。

40歳になっちゃいましたね。今までは、がむしゃら感があったんですけど、40歳ぐらいになってくると、それがなくなってきたというか。もう疲れる余裕がないというか(笑)。いい感じに肩の力が抜けてきたかなと思いますね。50歳になったら人生もっと楽しいんだろうなって思うし、それまでもう一踏ん張り頑張ろうかなって感じです。

―今後このカバーアルバムを引っ下げてのライブも予定されているとのことですが。

歌だけにこだわらず、来てくださっている方が楽しめるようなライブにしたいですね。歌ばっかりでも面白くないかなと思うので(笑)、僕自身がやっているいろんなことをトータルして全部できればいいなと思っています。

―つるのさんのライブでは、MCの時間もたっぷりあるということですね。

ほとんど喋ってますね(笑)。先日の40曲ライブ(『つるの40〜人生折返し、できるか!? 40曲〜』)も3時間くらいやったんですけど、結構喋ってましたね。あと、母親が登場してのサプライズがあって。涙を誘うような手紙を読んでくれたんですけど、最後に「40歳になったんだからあなたの苦手なことを克服しなさい」って言って、高いところにくす玉がでてきたんです。僕、高いところが苦手なんですけど、そのくす玉を割るためにワイヤーで吊られるっていう(笑)。それやるのに声張っちゃって、後半は声が出づらかったですからね。まぁ、お客さんも爆笑してたし、僕ドMなんでそういうの大好きなんですけど(笑)。

―次のカバーアルバムも考えていたりするんですか?

まだ分からないですけど、「出してほしい」と言ってくださる方がいれば応えていきたいとは思っています。以前に、KANさんの『永遠』を歌ったんですけど、他にもいっぱい良い曲あって。次やるとしたら、KANさんの曲を入れたいですね。あとは、自分の作った歌も歌えたらいいなぁと思っています。

―最後に一言お願いします。

兵庫県でなかなかライブする機会がなかったんですけど、今度7月にはたつの市でもやるので、ぜひ生の歌を聴きにきていただきたいです。CDとはやっぱり違うと思うし、ライブはアットホームな感じなので歌以外でも楽しんでいただけると思います!

Profile

<つるの剛士>
1975年5月26日生まれ、福岡県出身。1997年に『ウルトラマンダイナ』の主演で知名度を上げ、2009年には、カバーアルバム『つるのうた』でソロ歌手デビューし、歌手・バンド・俳優・タレントと多ジャンルで活動している。釣りや将棋など自身の趣味を仕事に反映させる活動もあり、積極的に育児に参加する父親“イクメン”タレントとしても知られている。