Interviewインタビュー

ミュージカル『ファントム』 城田 優さん インタビュー

“ミュージカルを観たことがない人にも観てほしい。人間らしい、今までにない「ファントム」を演じます。”

―「ロミオ&ジュリエット」に続き「ファントム」という有名な作品で主演を演じられますがいかがですか?

ご縁があっていただいたお話で、毎年大きな作品をやらせていただけるのは本当にありがたいです。ファントムが決まったときは、すごく前だったので正直あまり実感は湧かなかったですね。

―主演ということで、やはりプレッシャーはありますか?

シングルキャストということもあり、プレッシャーはもちろんあります。ミュージカルは毎年出演させていただいてますけど、本当にプレッシャーとの戦いで…。生なので、歌ってお芝居して、時には踊って…本当にエンターテインメントとして一番難しいと思っています。

―怪人〝ファントム〟の人間らしさを描く今作ですが、演じる上で心がけている点はありますか?

他のオペラ座の怪人では、ファントムはあまり喋らなかったりするので怖いイメージがあると思うんですけど、今回は母親に育てられたという背景や心情が細やかに描かれているので、怪人っぽくない人間らしいファントムが表現されています。「何で彼を怖がるんだろう」って感じると思いますよ。その分、演じていて難しい部分もあります。地下でずっと引きこもっていた人が他人と話す時、どんな話し方をするのか、どんな話しかけ方をするのかなど、そのキャラクターとしてどう演じるか…そのバランスが難しいですね。

―城田さんならでは、という「ファントム」の見所は?

190センチの身長とこの掘りの深い顔です(笑)。あとは、ミュージカルって苦手意識がある人が多いですよね。行きづらいと思ってしまう一つの理由として、お芝居しながら歌うことに対しての違和感だと思うんですよ。僕はその違和感をなるべく出さないようにしていて、芝居から歌、歌から芝居を自然に、その境目をなくすように心がけています。僕は、歌をそのまま綺麗に歌うのが嫌いで、感情のままに歌いたいんです。激しい感情のところは激しさを出したいし…役として感じるものを丁寧に芝居で表現できれば、違和感なくミュージカルを楽しんでもらえるんじゃないのかと思います。…とちょっと大きいことを言ってみます(笑)。

―仮面をつけてのお芝居は表情が見えにくい分、難しかったりしますか?

難しさはないです。仮面をつける役だからこそ、仮面をつけている方が安心するし、仮面がない方が演じていて違和感がありますね。お客様から見て、表情が読みづらいというのは実際にあると思います。もし、演じてる気持ちと違う捉え方をされたとしても、それがオペラ座の怪人のお話だと思うのでそれはそれで成立してるんじゃないかなと思っています。

―劇中のお気に入りの曲はありますか?

すごく良い曲がたくさんあるんです。二幕でファントムが決心してクリスティーヌに顔を見せるシーンがあるんですけど、見るなり絶叫して逃げられてしまうんですね。その後に歌う「母は僕を産んだ」という曲が特にお気に入りです。その曲はウィリアム・ブレイクの書いた詩を読んでいるんですけど、苦しくて切なくて悲しくて…最後に感情が爆発する歌なんです。聞いている人も何かしらの感情が動かされる一曲かなと思います。あとは、本作で世界初披露となる新曲もすごく素敵な曲ですね。

―稽古はどれぐらいの期間行うんですか?

歌稽古を含めると今で2ヶ月以上は経っています(8月末取材)。覚える時は、ひたすら読み続けて書きまくるって感じです。やっぱりミュージカルは生だから何が起こるか分からなくて。どんなことがあっても、歌って喋れるぐらいにならないといけないので大変ですね。人一倍読んだり書いたりするように心がけています。

―稽古場の雰囲気はどうですか?

和やかですね。やっぱり稽古場の雰囲気って主役の人で決まると思うんですよ。エンターテインメントを作るわけだから、毎日ピリピリした中でやるのも嫌だし、なるべく笑顔で和やかにしたいですね。共演者の皆さんは優しく明るい方ばかりなので、終始ふざけてますよ。稽古終わりに、リオちゃん(山下リオ/クリスティーヌ役)と日野くん(日野真一郎/フィリップ・シャンドン伯爵役)でよく筋トレしたりしています。多い時は8人ぐらい集まって「ファントム筋肉部」と名付けて(笑)、腕立て伏せや体幹トレーニングなど15分ほどやっています。みんなで食事や飲みに行ったりもしますね。

―神戸への印象や思い出はありますか?

舞台や学園祭などで何度か行ったことがあります。上品で落ち着いているイメージがありますね。兵庫で言うと、明石焼きがとても好きです。

―意気込みとメッセージをお願いします。

僕が今できるエンターテインメントを用いて素晴らしいミュージカルにします!お客様には、何かしらの感情を抱いて、明日に繋がるエネルギーを共有できればと思います。初めてミュージカルを観る人や全く興味のない人にでも「城田優が出ているミュージカルは観れるかも」と思ってもらえるような役作りを目指しているので、そんな苦手意識がある人にも観てほしいです。そして、神戸にもまた公演などで行けたらいいなと思っていますので、その時はよろしくお願いします!

Profile

1985年12月26日生まれ。東京都出身。日本とスペインのハーフで、生まれは日本だが、3歳から7歳までの幼少期をバルセロナで過ごす。現在、俳優やタレント、歌手として活躍する。主な舞台出演作品は、『スウィーニー・トッド』や『ロミオ&ジュリエット』など。2010年「エリザベート」で第65回文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。今夏、ドラマ「GTO」にレギュラー出演の他、2015年放送のドラマ「○○妻」にも出演が決まっている。