Interviewインタビュー

映画『武士の献立』
高良 健吾さん インタビュー

“安信みたいな性格の男は、たくさんいる気がします。”
『武士の献立』では、華麗なる江戸料理の数々とともに、あたたかい家族の絆が味わい深く感じられる。俳優生活10年目を迎え初の時代劇に挑戦した同作について、高良健吾さんに話を聞いた。

安信という人物をどう思われましたか?

安信みたいな性格の男はたくさんいる気がします。うまく言葉にできなかったり、悶々としているこれくらいの青年はたくさんいて、僕は安信の気持ちは分かるほうだと思います。安信の良さは、心の真ん中に優しさがある。でも不器用だからその出し方が分からなくて子どもっぽく、誰かに甘えているっていう感じがしました。

演じるにあたり、どのようなことに気を付けましたか?

とにかく「不器用でいよう」っていうことだけを考えました。この人が素直に何か言葉を発していたとしても、それは不器用に発するというか。優しいんだけど、自分がしたいことができていない部分のせめぎ合いというか葛藤はあると思ってて。そういうところを丁寧に演じようと思いました。

やりたくない料理の仕事をしなければならないなど様々な面で不本意な境遇にある安信ですが、もし高良さんご自身がそのような状況になってしまったらどうされますか?

この時代だったら、ある意味それは諦めなきゃいけないことだと思うんですよね。今の時代も、自分がやりたいことをできないということはあると思うんですけど、それが悪いかと言ったら全然悪くなく、後から考えると良い経験になってることも多い。僕はまだ26年しか生きていないけれどそういう経験がたくさんあり、全部自分の力になっているなって感じているんです。大事なのは、したくないことにしてもやりたいことにしても今置かれている立場とか状況に対して自分がどう向き合うかだから、もし僕が安信のような境遇に置かれたとしても、精一杯やるのかなと思います。

俳優としてのキャリア10年のなかでは、実際にそういうこともありましたか?

昔の僕はナマイキだったと思います。「やりたくない」「そんなのする意味が分からない」「この役の気持ちが分からない」「この脚本おもしろくない」とか、そんな10代(笑)。今は諦めとか丸くなったとかじゃなくて、やりたくないことでも楽しめる強さがある。作品選びにしても、昔だったら「この役面白くない」「俺がする必要ない、他の人がしたほうが良い」と思ったこともあったけれど、今は、「自分はどうやって言おうか」と思う台詞が1行でもあれば出演したいと思います。

2013年は『武士の献立』の他にもたくさんの作品に出演されていますが、オンオフはどう切り替えているんですか?

撮影期間中ずっと現場にいたわけではないので休みはありますし、それに「休む場所は自分で見つけないと」とも思っているんです。「なんだよ休み1日しかないな、全然休めないじゃん」じゃなくて、「よし1日休もう!」みたいな(笑)。僕は、自分でもすごい不思議なんですけど、同じモノゴトでも考え方や感じ方をガチっと変えたら、ポジティブにできるんです。別にネガティブが悪いこととは思ってないんですけど、でも悩むことは一生終わらないとも思うんです。一生終わらないものだったらうまく付き合えばいいし、うまく悩めばいいし…とはいえ、できない瞬間があることも分かる。けれど、日々勉強だと思ったら、ずっと死ぬまで勉強な気がして、だったら別に今ここで悩んでいることは終わらないんですよね。いつ死ぬのかは分からないけど、できるようになるまでまだたくさん時間はあるなと思って。だとしたら、「たまにさぼってもいいや」とか(笑)、そんな感じです。

Profile

<コウラ ケンゴ>
1987年熊本県生まれ。
『M』(07)で第19回東京国際映画祭“日本映画・ある視点”部門特別賞以降、数々の作品に出演・受賞歴多数。2013年は『横道世之介』『千年の愉楽』『潔く柔く きよくやわく』『ルームメイト』などにも出演。映画最新作は『私の男』(14)。

Storyストーリー

©2013「武士の献立」製作委員会

武士の献立

【監督】朝原雄三
【出演】上戸彩/高良健吾/西田敏行/余 貴美子 ほか

江戸時代。優れた味覚と料理の腕を持つが、気の強さが仇となり1年で離縁された春(上戸彩)は、加賀藩の料理方・舟木伝内(西田敏行)に才能を買われ、息子の嫁にと懇願されて2度目の結婚を決意。舟木家は代々、藩に仕える由緒ある包丁侍の家。しかし、夫となる跡取りの安信(高良健吾)は料理が大の苦手、しかも4つも年下!!春は、姑の満(余 貴美子)の力を借りながら、必死に夫の料理指南を始めるが…。

武士の献立の公開情報

公開 大ヒット公開中
監督 朝原雄三
出演 上戸彩/高良健吾/西田敏行/余 貴美子 ほか
劇場 神戸国際松竹 ほか
公式サイト http://www.bushikon.jp/