Interviewインタビュー

映画『奇跡のリンゴ』
阿部サダヲさんインタビュー

“これは、家族や夫婦の物語。何より、台本が面白いと思いました。”
実在のリンゴ農家・木村秋則さんの感動の実話を映画化した『奇跡のリンゴ』が絶賛公開中だ。木村さんに扮するのは、俳優の阿部サダヲさん。農薬散布により体調を崩した妻を想い、極貧生活を余儀なくされながらも、11年もの歳月をかけて無農薬のリンゴ作りを成功させた姿を好演した。

実在の人物を演じる難しさはあったのでしょうか

プレッシャーはありましたが、今の木村さんになるまでの過程を描いている作品なので、監督からは、ご本人の真似をするとか、似せるとかは、考えなくていいとお話がありました。家族や夫婦の物語だから、そちらに比重を置いていきましょうと。今の木村さんはとても明るい方なので「木村さんが苦労しているときって、どうだったんだろう」と、11年間を想像しながら演じました。

家族や夫婦の絆の物語ですが、父親としての木村さんは、どのように映りましたか?

(無農薬のリンゴ栽培を)成功させるまでは、無謀な父親ではありますよね。不可能と言われている事を続けていて、貧乏になっていく。でも奥さんが、文句も言わずに支えてくれていて。台本を読んだときに(子どもが父・秋則について書いた)作文のシーンは一番グッときました。子育てをしているシーンはあまりないですが、きっと優しい父親像が(子どもたちの中に)あったんだと思います。

作品では挫折と成功が描かれていますが、俳優生活で挫折を味わった時代があれば教えて下さい

僕、有難いことにあんまり無いんですよね。芝居できる事が楽しいですし、まだ成功したわけでもないので…。最初に役者になろうと決めたときの勢いは、木村さんが急に「無農薬をやりたい」と言った感じに近いと思います。何も知らないから飛び込めたというか。あの頃は、まさか映画の主演や、しかも菅野美穂さんの旦那役をやらせてもらえるなんて全く思っていなかったですしね(笑)。

青森でのロケは、やはり自然を感じましたか?

「木が喋った!」っていう場面を撮っていた時に、リハーサルではスタッフが木を仰いでいたんですけど、本番で本当に風が吹いたことがありました。あと、(自然に囲まれると)感情が入るというか。やっとリンゴの花が咲いて、走り回っているだけでも感極まっちゃうときがあって。全部青森で撮影できたのは大きかったですね。

最後に「ちょっとテンションが高め」な印象のある阿部さんの演技についてお聞きします

役をもらっている喜びというか、違う人になれている楽しさみたいなものがあるのかなと…それでちょっと(テンションが)上がってるのかなぁ(笑)。人に憧れて「あの人になりたい」というのがすごく多くて。今、自信がないから声が小さいですけど…人が書いたセリフだと、自信を持って言えますし(笑)。

Profile

<アベサダヲ>
1970年、千葉県出身。1992年より「大人計画」に参加。映画、ドラマ、音楽と幅広く活躍中。近年では、映画『舞妓Haaaan!!!』(07)、『なくもんか』(09)、『ぱいかじ南海作戦』(12)、『夢売るふたり』(12)、ドラマ「マルモのおきて」(11)、「平清盛」(12)などに出演。圧倒的な存在感で人気を博している。

Storyストーリー

©2013「奇跡のリンゴ」製作委員会

奇跡のリンゴ

【監督】中村義洋
【原作】石川拓治「奇跡のリンゴ」(幻冬舎文庫)
【出演】阿部サダヲ/菅野美穂/池内博之/笹野高史/伊武雅刀/原田美枝子/山﨑 努 ほか

舞台は1975年の青森県弘前。妻・美栄子(菅野美穂)と共にリンゴ農家を営む木村秋則(阿部サダヲ)は、農薬の影響で体調を崩す妻を想い、無農薬でリンゴを栽培することを決意する。ところが、それは「絶対不可能」といわれるほど無謀な挑戦だった。数え切れない失敗を重ね、周囲の猛烈な反対はもちろん、味方をしていた母親も「諦めろ」と一言。そして、愛する妻、娘3人と極貧生活に耐えながら、11年もの苦闘の末に、ようやく無農薬栽培の手がかりを見つける―。

奇跡のリンゴの公開情報

監督 中村義洋
原作 石川拓治「奇跡のリンゴ」(幻冬舎文庫)
脚本 吉田実似/中村義洋
音楽 久石 譲
出演 阿部サダヲ/菅野美穂/池内博之/笹野高史/伊武雅刀/原田美枝子/山﨑 努 ほか
公式HP http://www.kisekinoringo.com/