Interviewインタビュー

映画『はやぶさ 遥かなる帰還』
渡辺 謙さん インタビュー

“僕らがはやぶさプロジェクトの最後の広報活動のひとつ「締めとしての映画」だと思って欲しいくらいですね。”
全世界が注目した小惑星探査機「はやぶさ」。その歴史的偉業を成し遂げた日本科学者・技術者たちと、それを見守った人々の激動の7年間を描いた『はやぶさ 遥かなる帰還』。今回、特別にプロジェクトマネージャーも務める主演の渡辺謙さんに作品に対する想いを語っていただきました。

―出演依頼を受けた理由は?

はやぶさのプロジェクトに関しては、通信が閉ざされたり、帰還が遅くなったりとか断片的な情報は、ずっと耳に入っていました。そして、はやぶさ帰還時はアメリカにいましたので、インターネットを通して知ることになりました。ここ数年、日本は技術立国として世界からの評価が下がりつつあるのかなと思っていた時に耳にしたニュースだったので、「こんな凄いことを日本はやりきれるんじゃないか!!」と感動しました。それから半年たった頃、プロデューサーから映画化というお話をうかがって、「これは今やるべき題材ではないか!」と即答でお受けしたのを覚えています。ですが、昨年震災が起きた時、私達も脚本の最終行程の中、この映画を世に出す事を一瞬ためらいました。でも"こんな時に何ができるんだろう?何が届けられるんだろう?"というところで、この映画の「プロジェクトが成功したという成果だけを現したドラマではない、困難に立ちふさがれながらも、それを乗り越えていった技術者たちの物語だ」ということを主軸に製作に邁進していきました。

―キーワード的な「困難に立ち向かう」について、日々ご自身が心がけていることは?

実際に活躍された的川先生と川口先生とお話する機会があったのですが、的川先生曰く、川口先生のことを「諦めの悪い人だ」とおっしゃってたんですね。それは、物を作っていく人間たちの共通項だと思ったんです。僕らも映画を作っていったり、俳優という仕事をしている中でも、本当に諦めが悪いんですね。諦めが悪いというか、執念深いというか(笑)。もちろん映画を作るというゴールはあるんですが、何かを表現して作るという上でのゴールは設定しづらいです。どこまでも求めてしまうし、追究してしまいます。ですから僕は「諦めの悪さ」に対してシンパシーを感じましたし、そこには障害ですとか困難な問題は必ず待ち受けているんだと思います。それに対してどこまできちんと向き合っていけるかというのが、僕の中では大切にしていることのひとつですね。

―同じ素材で3つの映画が公開されるのは非常に珍しいと思うのですが、他作品に意識はされますか?

あの…非常に僭越な言い方をしてしまいますと…ほとんど僕は意識してません(笑)。このプロジェクトで僕が感動したのは「カプセルを回収しました」だけでは終わってないところです。多く一般公開したり、広報活動でプロジェクトの意義や目的を継承しようとしている。それは宇宙開発の大切な要素だと思いますし、そうされているJAXAの方々に敬意を表したいです。さらに、僕らがその最後の広報活動のひとつとして、本当に大きなプロジェクトがこんなに素晴らしい人達の努力によって、成果を上げることができたんだということを映像で伝えたいです。「広報活動の絞めとしての映画」だと思って欲しいくらいですね。作品を見ていただけると、それを感じ取っていただけるのではないかと思っています。

Profile

<ワタナベケン>
1959年10月21日、新潟県出身。映画やドラマ、CMなどで活躍中。海外での活躍も著しく『ラストサムライ』『インセプション』などでも演技を光らせる。また脚本家の小山薫堂氏と立ち上げた被災地支援メッセージサイト『kizuna311』より「前を向くカレンダー」の発売決定、予約受付中。
http://www.kizuna311.com/

Storyストーリー

(C) 2012「はやぶさ 遥かなる帰還」製作委員会

はやぶさ 遥かなる帰還

【監督】 瀧本智行
【出演】 渡辺謙/江口洋介/夏川結衣/石橋蓮司/藤竜也/山﨑努 ほか

"彼"は宇宙から希望を抱えて還ってきた

地球から遥か彼方にある小惑星「イトカワ」。その地表に到着して岩石サンプルを持ち帰るという、世界初のミッションに挑戦した小惑星探査機「はやぶさ」。その歴史的偉業は「絶対にあきらめない」という強い意志を貫き通した日本の科学者・技術者たちの魂の挑戦だった。

はやぶさ 遥かなる帰還の公開情報

公開 2月11日(土)
監督 瀧本智行
原作 山根一眞『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』(マガジンハウス刊)
出演 渡辺謙/江口洋介/夏川結衣/石橋蓮司/藤竜也/山﨑努 ほか
公式HP http://www.hayabusa2012.jp/
劇場 OSシネマズミント神戸《TEL.078-291-5330》ほか