Interviewインタビュー

映画『東京オアシス』 加瀬亮さんインタビュー

ひとりの女優の心のさすらいから始まる『東京オアシス』は彼女の前に現れた、今の自分と似ているかもしれない3人との出逢い。短いけれど、静かで濃密な時間の中でお互いに起こる変化の予感を感じ始める物語。深夜の高速を車で走るナガノ役の加瀬亮さんに編集部独占でお話を伺いました。

―『かもめ食堂』チームの新作ということですが、加瀬さんにとってこのプロジェクトはどんな存在なのでしょうか?

全然知らない自分の感覚を教わる面が多いチームです。このチームの撮影では自分にはない、ものの見方を教わっています。

―ナガノという役はどんな印象をもたれましたか?そして、どのように演じようと思われましたか?

言葉で言うと単純なんですが、「絶望している人」という印象を持ちました。前を向くことができなくなっている人。自分にとって、希望に溢れている役よりはやりやすかったです(笑)。このチームの撮影では、深く考えて演じるというよりも、今の自分をどう隠さず出すかということを大事にしています。

―ふたりが徐々に心通い合う様子が印象的でしたが、ナガノから見た主人公トウコとはどんな人物でしょうか?

どこか最初に見た時点で好感を持ったと思います。でないと車に乗せないですよね(笑)。そのなかで話していくうちに似た様なものを感じ、たくさん話すわけではないんですが、何か少し"感じ"が分かったんじゃないでしょうか。ふたりの関係はマイナスとマイナスをかけてプラスになったような感じだと思います。

―この作品はアンソロジー風になっていますが、どのような感想をお持ちですか?

僕のパートで出会ったトウコと、映画の最後の方で見たトウコが全然違っていたので、ある意味トウコの「心の旅」を見ているような感じでした。

―東京が舞台ということですが、加瀬さんにとって「東京」とは?

自分が住んでいる街なので俯瞰することはないのですが、いろんな場所から人が来たり出たりすることでおこる、風通しの良さが好きです。

―東京でのオアシス的な場所はありますか?

たくさんあります。それは公園だったり、ちいさな焼き鳥屋さんだったり(笑)もちろん場所も大事ですが、それよりも、誰と一緒にいるかということが大切だと思います。

―Recipeは神戸の情報誌ですが、神戸での想い出はありますか?

神戸は『アウトレイジ(北野武監督)』の撮影でしばらく滞在させていただきました。自分の地元である、横浜の様な雰囲気に近い街だと思います。

―最後にメッセージをお願いします。

ちょっと立ち止まっている時って、少なからず人にはあると思います。そんな時にふらっと観に行っていただければ嬉しいです。

Profile

<カセリョウ>
1974年神奈川県出身。主な映画出演作に『硫黄島からの手紙』(06)、『めがね』(07)、『プール』(09)、『アウトレイジ』(10)など。『それでもボクはやってない』(07)では日本アカデミー賞優秀主演男優賞など多くの賞を受賞。ますます期待される実力派俳優。

Storyストーリー

(C) 2011 オアシス計画

東京オアシス

【監督】 脚本:松本佳奈/中村佳代
【脚本】 白木朋子
【出演】 小林聡美/加瀬亮/黒木華/原田知世 ほか

見つめてみよう、きっと誰かがみえてくる。

風景が、まるで生きもののようにまじわる街、東京。ビルの間を抜けてゆく雲、夜の道に連なる車のあかり、器用に交わし合う人の波。駆けてゆくようなテンポで移ろう風景は、街をおのずと高揚させます。そんな東京のどこかから、そして何かから逃げてきた女優・トウコ(小林聡美)。彼女がゆく先で出会うのは、やはりどこか別の風景を探してさすらう、迷いの人びとでした。高速を運転するナガノ(加瀬亮)、映画館で働くキクチ(原田知世)、動物園にバイト面接に来たヤスコ(黒木華)。
彼らとのそれぞれの時間が、トウコに忘れかけていた風景をよみがえらせ、ふたたび歩き出した彼女の中には、新しい日常が光りはじめます。それは東京の街を包む朝もやのような、やさしく確かな光のはじまりでした。

東京オアシスの公開情報

公開 10月22日(土)
監督・脚本 松本佳奈/中村佳代
脚本 白木朋子
出演 小林聡美/加瀬亮/黒木華/原田知世 ほか
公式HP http://www.tokyo-oasis-movie.com
劇場 シネ・リーブル神戸《TEL.078-334-2126》